ソーシャルビジネス事例㉒ 難民起業サポートファンド(ESPRE) 日本国内の難民

ソーシャルビジネス

難民起業サポートファンド(ESPRE)は日本国内にいる難民の方々向けに起業にに向けたマイクロファイナンス事業を行っている団体です。

 

 

  • そもそも「難民」とは何か?

ユニセフのホームページによると、難民とは下記のように定義されています。

 

❝1951年の「難民の地位に関する条約」では、「人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受けるかあるいは迫害を受ける恐れがあるために他国に逃れた」人々(ユニセフ ホームページより抜粋)❞

 

つまり、個人の力では対処できないやむを得ない理由によって母国を追われて外国に行かざるを得なかった人々、を指します。

 

全世界では6560万人がやむを得ず母国を追われているという統計が出ていますが、その全体が「難民」として認められているわけであはありません。

 

  • 日本国内にも難民っているの?

日本国内にいる「国を追われた人々」は2万人以上いると言わていますが、この人々のほとんどは「難民」として認められていません。

2017年の難民申請の数は19628人、内訳は東南アジアが多く、難民認定がされたのはわずか20人、難民と認定しなかったものの人道的な配慮を理由に在留を認めた者が45人、合計で65人となっています。

 

認定が少ない理由についてはいろいろとありますが、日本は国際的に認められている「定義」を遵守している点にあります。「紛争や内乱」は厳密にいうと「難民」には当たらないため、そもそも認定はできない、という背景があるそうです。(と、表面的には言っていますが、なんとなく腑に落ちません。おそらくもっと根の深い理由などがありあそうですね)

 

難民の認定等については「難民支援協会」さんのホームページが詳しいので、そちらを参照してみてください。

 

難民についての詳細はコチラ→認定NPO法人難民支援協会ホームページ

難民を知る − 認定NPO法人 難民支援協会 / Japan Association for Refugees
難民ってどんな人?、世界の難民の状況は?、日本に逃れてきた難民、日本での難民受け入れといったことについて分かりやすくご説明しています。

 

 

  • 援助を受けるだけの存在ではなく、自らが「人財」として切り開けるチャンスを

難民の方々が日本で起業する際に何が一番困難でしょうか?

もちろん日本の市場への理解や、商習慣への理解と慣れ、起業するための技術の習得、日本語の習得、など様々な要因があると思いますがはっきり言って一番難しいのは「資金調達」です。

 

難民が日本国内で公的機関や銀行から借り入れを行う、このことの難しさはすぐに想像できると思います。

 

難民の方々が日本で就労する場合に考えられる職種は、残念ながら「人財」としてではなく「安価な労働力」として見られてしまいます。そのため飲食店の洗い場などの単純労働しか雇い口は無いのが現状です。

 

難民起業サポートファンド(ESPRE)は、難民が起業することに当たってのまず必要な「資金」を提供することと、外部パートナーの経営支援スキルやノウハウも活用しての厚いサポートを行う国内初の難民へのマイクロファイナンス(少額融資制度)を提供しています。

 

難民=かわいそうな人々 という認識が僕たち日本人の根底にはあると思いますが、難民の方々は「難民という背景のある、日本人とは違った価値観やスキルを持っている優秀な人財」と捉える視点はあらゆる事象をフラットにとらえるためにも大変大切です。

 

難民を経験した人々には「社会の貢献していきたい」という実体験に基づく強い意志もあるため、高いポテンシャルを持っている人が実は多くいます。

 

 

  • 難民起業家の事例:レストラン「スィゥ・ミャンマー」

高田馬場のミャンマーレストラン「スィゥ・ミャンマー」はESPREのマイクロファイナンスで成功している事例です。

経営者のタン・スィゥさん、タン・タンさん夫妻は、ミャンマーの民主化運動に関わったことから迫害を受け、約20年前に日本に逃れてきた難民です。

 

妻であるタン・タンさんが得意としていた料理を活かした、レストランの開業のため難民起業家の制度を活用し、融資だけでなくメニューやプロモーション、接客などのアドバイスなど多岐にわたった支援を行うことで売上も向上し、今では高田馬場の人気レストランの一つとなっています。

 

  • まだまだ知られていない日本国内の難民問題

以前にも記事で取り上げた株式会社アルーシャ(難民へのネイルサロンプログラムの提供支援)もそうですし、積極的に難民雇用を行っているユニクロもそうですが、実質的に難民の方々へ「一番必要なもの」を提供すること、そして継続性を持って支援すること、その2つが本当の支援でありソーシャルビジネスになると思います。

 

僕は「かわいそう」と思った時点でそれは既に支援にはならないと考えています。その時点で既に自分とは関係のない世界に起こっていることである、という意識が働いているため、フラットな考えから遠ざかり、具体的な行動をするには至らないからです。

 

ソーシャルビジネスの役割として、起こっている問題点を人々にフラットに「知って」もらうことも重要なことだと思っています。

 

必ずしも良いことをしようと思って行動する必要はないのですが、もしかしたら普通の生活がそのまま支援になるという選択肢があります。いつものネイルサロンをアルーシャに変えてみるとか、ヘアドネーションを行っているような美容室に行ってみるとか、寄付付きの健康食品に切り替えてみるとか。Google で検索する際にも、「検索語+支援」等で調べてみると面白いかもしれません。

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