日常会話からうつ病を診断する!MITのうつ病診断最新AIのすごさとは?

健康関連

15年くらい前までは「うつ病」と聞くと、かなり特殊な人がかかる疾患で、あまり自分とは関係ない世界の出来事だと思ってました。

でも、現在はその種類や深刻度も様々で、誰もが陥る可能性のある疾患として認知されるようになりましたよね。

世界保健機関(WHO)の2015年の調査によると、世界でうつ病に苦しむ人は3億2200万人で、世界人口の約4%にあたります。

この数字は2005年からの10年間で約18%増加したことになります。

ちなみに日本国内での患者数は約20年で3倍ほどになっています。

うつ病の推移

もちろんうつ病が広く認知されたり、その定義が広くなったことなどの背景があるので、一概にとんでもなく純粋な統計として増えているとは言えません。言えませんが、事実としてうつ病が社会問題であることに変わりはありません。

また、現在のうつ病対策は事後処理のシステム(なってしまってからの対処)のため、その後の回復は容易ではありません。

そんなうつ病の診断に対し、マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームが、画期的なAI診断システムを開発しました。

今回はこのうつ病診断AIを取り上げます。

余談ですが、一度で良いから「出身大学?MITですよ」と言ってみたいもんですね~。

スポンサーリンク




今までのうつ病診断の問題点とは?

うつ病診断の結果問題点

従来のうつ病診断においては、あらかじめ決められていた質問項目のフォーマットを使い、医師が面談形式で回答の内容やその際の受診者の状態を見極めて診断を行なっていました。これですと下記の問題が出てきます。

経験が浅い医師は見逃す可能性が高い

どの世界でもそうですが、この熟練と未熟の差が与える不利益は甚大です。特に精神疾患は客観的な計測が難しい領域なので、病気の兆候を見逃してしまう可能性があります。

客観性が低く誤診にもつながる

客観性が低いということは、熟練者においても誤診を起こす可能性があります。また、社会の変化によってうつ病といっても様々な種類があるため、より正確な分類と治療が求められます。

データが蓄積しないため傾向が取りにくい

ある意味「勘」や「経験」に頼るような診断ですと、共有できるデータが蓄積しません。そうなると、仮に優秀な精神科医がいても、個人の経験が他の医師に共有されずに無くなってしまいます。

このように、従来の診断方法のみですと、客観性の定義が難しく、本来救える患者が救えないという結果を生み出すことが多くあります。

日常会話からうつ病の兆候を抽出する

日常からうつ病を発見する

従来の方法では決まったテキストや診断に対してストレスを感じる患者も多かったようです。

しかし今回MITが開発したAIでは、ごく自然な日常会話、つまり自由な文脈からうつ病を診断することができます。

このAIシステムは「音声、テキスト、(+映像) 」から、ニューラルネットワークモデルを使用してうつ病を示すパターンを発見することができます。

ニューラルネットワーク(Neural Network

一言で言うと、人間の脳が学習するパターンを人工知能に行わせる手法。学習していくことでAI自らが複雑な回答を導き出すことができる。この方法を何層にも重なって行うものがディープラーニングである。

MITのCSAILの研究者たちは、このニューラルネットワークにシーケンスモデリング(音声処理技術)を用いてシステムを開発しました。

うつ病の人と健常の人では話すスピード、言葉と言葉の間隔、使用しやすい言葉、会話全体のトーン、などに微妙な違いが生じるため、その違いをAIが学習するんですね。

その「違い」を日常会話で受信者に負担をかけることなく測定することが出来るんですからすごい技術です。

80%以上のスコア精度、今後は限りなく100%へ近づく

ほぼ100%の精度へ近づく

昨年の2018年夏の段階で80%の精度だったので、現在(執筆時点で2019年2月)ではより精度は上がっていると考えられます。ディープラーニングは人が学習するように精度を上げていける(人以上に正確に早く)からです。

また、個人的には音声データやテキストに加えて、動画などの画像解析も加わったりするとより精度が上がると考えます(学習情報が増えるため)。

コストの面を考えるとスマホのアプリにて簡単にカメラ解析できるようにするなどすると面白いと思いますね。

アラートで心理状態をお知らせ

アラートで心理状態を知らせてくれる

研究チームは今後、スマホアプリで音声とテキストを読み込むだけで心理状態を把握して、うつ病の兆候などがある場合にアラートで知らせてくれるシステムも構想しています。これなら、知らず知らずのうちに取り返しのつかない精神状態に陥ることを未然に防ぐことができて、治りやすい初期段階に適切な治療を受けたり休養を取って自分で精神状態をコントロールすることにも繋がりますね。

自由文脈解析AIの未来

自由文脈うつ病診断AIの未来

このAIシステムが確立されれば、今後はうつ病だけでなく様々な健康状態管理へ応用が効くようになります。

例えば日本でも深刻な問題である認知症などにも大変効果を発揮するシステムです。

より高度で使いやすいウェアラブルデバイスとの親和性も高いです。

あらゆる集団で未然の察知が可能になる

あらゆる場面へ展開できるAIシステム

例えば職場においてもうつ病は深刻な問題です。統計によると日本で1番うつ病になるのは働き盛りの40代(19.6%、厚生労働省 平成26年データ)に多いんです。

週に一回でも社内カウンセラーなどと気軽にこの自由文脈のAI診断などを行うだけで、自己コントロールが可能になります。

また、学校における子供の兆候を確認することにも役立ちますし、児童相談所における客観的な判断などにも用いることができます。

いじめの問題や子どもの貧困問題、また少し重いですが児童虐待の兆候など、起こるべきでない不幸を未然に察知する手助けになるでしょう。

さらに、高齢化社会で問題になる高齢者施設においても、うつ病や認知症だけでなく複合的な変化の兆候を見逃さない技術として期待できます。

まとめ 最高のアシスタントとして活用しよう

AI技術の殆どに共通しますが、あくまでも最高のアシスタントという位置付けでの活用が必要です。あまりにもデータだけを信用するのではなく、そのデータを活用してジャッジするのは人間ですからね。

医師の最高のアシスタントであり、また今後は僕たちの身近な健康サポーターになる可能性があります。

このような時代に逆に必要になってくるのは、僕は「個人が自分に対して興味を持つこと」だと思います。サポート機能としてのAIが発達するからこそ、その最終的判断の精度は人間に求められることになるからです。

少し飛躍しますが、そのためには普段からある意味「テキトー」な部分や「無駄」な部分を大切に磨くことが重要だと思います。

つまりはあまり働き過ぎずに楽しい事やって無駄で馬鹿な事に積極的になるということです。心のキャパは常に広い方が敏感でいられると思うのです。

と言うお話でした。

スポンサーリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました